「統合運用管理ツールってナニ?」から始める第一歩

「統合運用管理ツールってナニ?」から始める第一歩

皆様は「統合運用管理ツール」というものをご存知でしょうか?
触れた経験がないと「その名前の通りで何かを管理してくれるもの?」という感じで、想像するのも難しい不思議な存在ではないかと思います。ですが、統合運用管理ツールの実態は、企業が抱えるITシステムの運用、インフラなどの基盤を支えている、縁の下の力持ちとも言える凄いツールなのです。

今回は統合運用管理ツールがどのようなものか、幾つかの項目に分けてお話しさせていただきます。

「統合運用管理ツール」ってそもそもナニ?

「統合運用管理ツール」とは、社内に数多く導入されているITシステムを一元管理することを目的とするツールおよびシステムの総称を指します。

多くのITシステムは統合運用管理ツールに頼らずとも、それぞれが日々の運用業務を遂行することが可能です。しかし、バラバラに管理された状況下では各システムにおける障害の発生、業務処理の状況確認が複雑であり、作業者を多数配備してひとつひとつ把握するにも大きな手間が掛かってしまいます。

そういった手間と問題を解決してくれるのが、統合運用管理ツールです。

統合運用管理ツールを導入することにより、各システムの状況を一元管理、どのシステムで障害が発生しているかの状況確認や、手動でその都度行っていた日常の業務運用を統合運用管理ツールが担うことで、作業人員の削減および人的ミスのリスク低下、システム運用の可用性と性能の効率化を簡単に図ることが可能になります。

「統合運用管理ツール」は何をしてくれるの?

上記で統合運用管理ツールの概要を説明しましたが、ここでは統合運用管理ツールの基本となる6つの機能についてお話しします。

ジョブ管理

バッチ処理やシステムの実行処理などを指す単位として、ジョブと呼ばれるものがあります。

統合運用管理ツールでのジョブ管理は、そのジョブをいつ/どこで実行するかのスケジューリングや作業ログの管理、ジョブの処理状況や正常に終了/異常終了したかの実行状態を監視し、正確な管理を提供してくれます。

例えば、「毎日0時にシステム端末を再起動する」、「毎月〇日の17時になったら各システムのデータを集計する」といった日常業務をジョブで定義しておくことで、その仕様と条件に沿った業務を自動的に行ってくれます。

人員の確保や人的リスクを削減できることにも大きく貢献できることから、統合運用管理ツールの中で最も重要な機能として挙げられることも。

可用性管理

可用性はITシステムが良質であることの指標となる重要な要素のひとつです。
ITシステムでは可用性と同時に信頼性・保守性・サービス性の観点でも日々機能分析を行い、利用者にとって十分な機能性を有しておくことが大切とされています。

可用性管理は予めITシステムに一定水準以上の可用性レベルを維持するように定めておくことで、そのレベルから下がってしまいそうな状況と原因を管理し、システムをどのように改善するか?といった検討を行いやすくしてくれます。

性能管理

性能管理はITシステムのデータ処理能力や処理速度、基本性能が十分であるかの管理をしてくれます。システムの処理能力は普段の稼働において問題ないが程度に妥協してしまうと、繁忙期など利用者がシステムに対して頻繁にアクセスを試みる状況に陥った場合、求められる処理能力に対してシステムが応えられず、処理能力が著しく低下、最悪の場合システムダウンといった危機的状況へ陥ってしまう可能性があります。

そこで、統合運用管理ツールを用いた性能管理はシステム内のデータ処理量を常に計測し、処理能力が欠乏しそうな時は警告を表示することで、システム担当者に処理能力向上の必要性を認識させ、迅速な対応を取ることが可能になります。

構成管理理

構成管理はITシステムを構成する要素、環境を最適に管理してくれる機能です。ハードウェアの電源が落ちている、ソフトウェアのプロセスが一部途絶えている、サーバーとネットワークのライフサイクルに問題が発生しているなどの、人が直に確認するのが困難な状況も常に管理し、安定したシステム運用を提供してくれます。

セキュリティ管理

セキュリティ管理はITシステムに対して接続を試みる利用者が適切なアクセス権限を有しているか、悪意を持った部外者がシステムへの侵入を試みていないかなどの対策を管理してくれる機能です。

アクセス権限に限らず、接続するためのネットワークやIP/PASSの制限など幅広いセキュリティサービスが用意されているため、「特有ネットワークを使っている使用者なら誰でもアクセス可能だが、一部の情報についてはその中でも特に上位の権限を持った使用者にのみアクセスを許可する」など、各システム要件に沿った柔軟で強固なセキュリティを敷くことが可能になります。

IT資産管理

IT資産管理は構築した各種セキュリティとOSのアップデート、ハードウェアとソフトウェアの導入日やライセンスなどの契約期限を一元管理してくれる機能です。

特にライセンスの管理は契約による継続・変更の必要性が発生した場合に、古いライセンスだと当時の状況などの確認が困難という難点がありますが、IT資産管理機能を使えば必要な情報を即座に確認することが可能になります。

なお、前述した構成管理と機能が類似していますが、構成管理はITシステムとサービスといった社内の情報管理が目的で、IT資産管理は法令やセキュリティといった社外に対する情報管理を目的とした、いわば内部と外部という点で用途が異なります。

これら6つの管理機能はすべてITシステムを24時間365日の監視が可能であり、利用者が使用しない時間帯も動き続け、日々のシステム運用を支えています。

「統合運用管理ツール」にはどんなものがあるの

統合運用管理ツールはNTTデータや日立製作所など、日本の大手IT企業も製品提供しており、各会社それぞれの特徴や重要とする機能が異なります。

どの統合運用管理ツールを導入するかは、社内で設計するシステムのコンセプトやニーズを基に判断する必要があるため、ツール間の性能や優劣を比較することはとても難しいです。

それを踏まえ、ここでは私が現場業務を経験した中でよく耳にした製品を一部紹介したいと思います。

■WebSAM(NEC)

※画像出典はNEC WebSAM公式HP(https://jpn.nec.com/websam/index.html)より

WebSAMは日本電気株式会社(NEC)が開発した統合運用管理ソフトです。
システム全体を見える化して新たなビジネス・サービスの開発支援、使用者の利用に沿った柔軟なライセンス体系、運用ノウハウを活かした信頼性の高い稼働とサポートの提供を売りとしています。

Management(マネージメント)

主にサービス管理、運用改善支援、資産管理など全体的な運用に必要な機能がここに集約され、運用管理のレベルアップと改善を担います。

Automation(オートメーション)

必要な機能がここに集約され、システム運用の効率化と品質向上を担います。

Monitoring(モニタリング)

主に統合監視、ネットワーク監視、ストレージ監視などシステム監視に必要な機能がここに集約され、システムの健全性維持を担います。

■JP1ソリューション(HITACHI)

※画像出典はHITACHI JP1ソリューション公式HP(https://www.hitachi-solutions.co.jp/jp1/sp/)より

JP1ソリューションは日立ソリューションズが開発した統合運用管理ソフトです。
システムの導入・運用・移行・連携という4つの大きなイベント全てに対応し、それぞれで使用者が求めるニーズを専門技術者がJP1を駆使して最大限のサポートを行い、理想的なシステム運用を実現させることを売りとしています。
以下の4つに製品をカテゴライズ、提供しています。

Intelligence(インテリジェンス)

「ITを賢く利用」をコンセプトに、統合管理、ITサービス管理、IT運用自動化の3点から、多種多様なデータを統合的に管理する製品で構成されています。

Automation(オートメーション)

「業務を賢く実行」をコンセプトに、システム運用自動化、ジョブ管理、バックアップ管理の3点から、ITシステムの計画的稼働と信頼性を高める製品で構成されています。

Governance(ガバナンス)

「資産を賢く統制」をコンセプトに、資産・配布管理、セキュリティ管理の2点から、IT資産とシステムを適切に管理・統制する製品で構成されています。

Monitoring(モニタリング)

「システムを賢く監視」をコンセプトに、インフラストラクチャ管理、パフォーマンス管理、ネットワーク管理の3点から、ITシステムを掌握・分析し、システムを安定稼働させる製品で構成されています。

■Hinemos(NTT DATA)

※画像出典はNTT DATA Hinemos公式HP(https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/hinemos/)より

HinemosはNTTデータが開発したオープンソースの運用管理ツールです。フルオープンソースのため、構築と運用に掛かるコストを大幅に削減できることを大きな売りとしています。主な機能として「監視管理」「性能管理」「ジョブ管理」があり、それぞれ以下の役割を担います。

監視管理機能

対象のコンピュータにおける状態をリアルタイムで監視し、NW機器の監視、アプリケーションのステータスや時系列の情報を集中管理します。

性能管理機能

CPUやメモリ等のシステムにおけるリソース値など目視が難しいデータを収集し、グラフ化して視覚的にわかりやすく表示します。

ジョブ管理機能

対象のコンピュータでジョブ・ジョブネットを作成し、スケジュール実行を制御します。

■Systemwalker(FUJITSU)

※画像出典はSystemWalker FUJITSU公式HP(https://www.fujitsu.com/jp/products/software/middleware/business-middleware/systemwalker/)より

Systemwalker(システムウォーカー)は富士通が開発・提供する統合運用管理ソフトウェアの総称です。

システム環境が変化しても新たなスキルや知識を必要とせず、従来のままでシステムが継続で利用できることを可能とし、確実で安心・安全な運用を支援することを売りにしています。

私が経験してきた現場では必ずと言っていいほど、このSystemwalkerを導入したITシステムが構築されており、その中でも以下の2つが活用されていました。

Systemwalker Centric Manager(セントリックマネージャ)

可用性やセキュリティなどのライフサイクル管理に特化しており、常にシステムとネットワークの稼働を監視することで、障害発生時でもトラブルの迅速な復旧を実現する製品です。

Systemwalker Operation Manager(オペレーションマネージャ)

システム運用の自動化とジョブ管理能力に特化しており、ユーザーが望む運用管理コンセプトに基づいたジョブのスケジューリングや監視、操作など、業務運用をトータルに自動化、安定稼働と低コスト運用を実現する製品です。

「統合運用管理ツール_Systemwalker」の体験談」

前項で私が紹介したSystemwalkerについて、実際に現場で触れた時の体験談を述べたいと思います。
「なんとなく統合運用管理ツールについてはわかったけど、触るのも見るのも難しそう…」と思われた方、よければ参考としてみてください。

Systemwalker Centric Manager(セントリックマネージャ)

障害を検知すると障害検知の時間・発生場所・如何なる原因で障害が起きたかの詳細を一目でわかるよう画面に表示してくれるので、お客様の対応で多忙な状況でも即座に障害情報が把握可能と、現場作業者にも優しい仕様が魅力的でした。

私が経験した時の印象では、Centric Managerの管理下にあるお客様の端末からネットワークに負荷が掛けられた結果、しきい値を超えて障害を検知。そうすると負荷の原因/該当端末のホスト名/IPアドレス/ユーザー番号を表示してくれたので、どのお客様の端末で発生したのかがすぐにわかり、端末の配置場所やお客様情報をイチから調べ始める手間を省けたのが助かりました。

Systemwalker Operation Manager(オペレーションマネージャ)

ジョブ管理はGUIで操作するため視覚的に分かり易く、初めてOperation Managerに触れた時の私が感動したことはジョブの実行状況が色で定義されているため、一目見ればすぐに状態の判断が出来たことです。

こんな風に色別でジョブの実行状況がリアルタイムで更新されるため、どのジョブで障害が起きたのかも判別も簡単でした。

いざジョブを設計するとなった場合でも、このジョブはどこに配置するのか、何を条件としてジョブを実行するのか、実行の順番はどうするのか…といった流れにユーザーが悩まぬよう、Operation Manager自体がジョブの設計をサポートしてくれるので、最初は慣れてなくとも操作方法を覚えてしまえば後は簡単に扱えてしまう手軽さと優しさが魅力的でした。

最後に・・・

ここで紹介したのは4つだけですが、他にもまだ様々な統合運用管理ツールが存在し、今現在も昼夜問わずそれぞれのシステム環境で働いています。「どれが一番優れているのか?」という点は置いておいて、この記事が皆様の統合運用管理ツールに対する知識の第一歩として、記憶に留めていただけるものであれば幸いです。

ここまでお目通しいただき、ありがとうございました!

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